WEBプログラマーを辞めたいと思うとき



私はプログラマー兼SEとして働く今の仕事がとても気に入っていますが、いつも楽しいことばかりとは限りません。時にはつらくて仕事を辞めたいと思うこともあります。


私の場合は特に受託開発を進めているときに辞めたいと思うことがあります。ここでは、これまでにプログラマーを辞めたいと思ったときのことをまとめたいと思います。



アクセス数が少ないサイトを作るとき


受託開発でWEBアプリを作ることがよくあります。うちの会社は大学や研究機関からの受注も多く、通常のWEBアプリと違ってかなり高度な専門システムとなることも多いです。


私もある程度専門知識は持っていて、このようなシステムがあると便利だろうなと、その有用性はよく分かるのですが、実際WEBシステムをネット上に公開してアクセス解析を設置してみると、驚くほどアクセスが少なくてびっくりすることがあります。


たとえば、1か月のアクセス数が20件ほどしかないようなサイトを作ったことがあります。1日1件あればいいほうで、アクセスがまったくない日もありました。


おもわず、「せっかくサイト作ったのに、誰も見てないじゃん。」と思ってしまいます。


私が趣味で作った適当なサイトでも1日数十アクセスから数百アクセス程度はあるのに、顧客の要望を聞いて凝ったプログラムを入れて手間暇かけても、労力が報われなかった気がしてしまいます。肩をがっくりと落とす瞬間です。


専門性の高いシステムというのは当然使う人も限られてきます。占いサイトのような誰もが遊べるサイトであれば多くの人がアクセスして使われますが、高度な専門情報を扱うサイトになればなるほど利用者は減ります


このことは重々承知しているのですが、やはりエンジニアとして物作りに携わっている人間にしてみれば、作ったものを多くの人に利用してもらいたいと思うのです。利用者からの「便利なサイトですね」という一言がどれだけうれしいか。職人気質が少しでもあれば、自分が作ったものを使ってもらいたい、見てもらいたいという欲求があるのです。


誰にも使われないサイトというのは、この世に存在しないのと同じです。


受託開発なので先方の意見を優先的に取り込む必要があります。でも、研究者の人って自分の理想とするものを作ることには一生懸命なのですが、作った後のことを考えている人は少ないんですよね。誰に見せたいか、どんな使われ方をしてほしいか、たくさんの人に使ってもらうためにはどうするかといった点が抜け落ちていることが多いです。積極的に宣伝をすることもありません。研究費を使ってこれまでの成果を公開して終わり、というパターンが多いです。



プロジェクトが終了すると、私も開発が終わってやれやれ、とはなります。プロジェクト終了時には、たいてい技術的にも知識的にもスキルが身についた感じがしてその点は満足するのですが、やはりせっかく開発したシステムなので多くの人に利用してもらいたいです。


ただ、最近は研究費を使って作成したWEBシステムにおいて、その後のアクセス状況を追跡調査されるようになってきています。開発終了時点でのアクセス数、1年後、2年後のアクセス数を報告しないといけないような状況が増えてきていて、アクセスログをくださいという問い合わせが良く来るようになりました。


研究費というのは国の税金が多く含まれるわけで、役に立つものを作ることができるかということを調査されているのだと思います。


アクセス数が少ないと、今後の研究費が減額ということにもなるかもしれないので、研究者の方には積極的にサイトの宣伝活動やアクセスアップ向上の取り組みを行ってほしいなと願っています。





仕様変更が多い案件に携わるとき


これは多くのプログラマーやSEの人に共感してもらえるのではないかと思うのですが、受託開発をしていると、どうしても仕様の変更というのが発生します。


受託開発では顧客の要望を聞かないといけませんので、なるべく受け入れるようにしていますが、中には仕様変更が多すぎる、というものに時々出会います。


最初のヒアリングや仕様策定の段階ではっきりと確定できているように思ったのですが、実はそうではなく、プロジェクトが進んでより具体的になるにつれて、「やっぱりこうしたい」と変更がつけ加えられることもあれば、「それはダメになった」といってひっくり返されることがあります。


また、最初の段階で仕様がはっきりと確定していなくて、とりあえずプロジェクトがスタートしてしまうこともあります。こちらに丸投げに近いような開発になってしまったような場合などがそうで、顧客の頭の中にははっきりとした完成イメージがなく、とりあえず先方のいうことを聞いてこんな感じかなと思って作ってみるのですが、先方はそれを否定して修正が積み重なるという悪循環に陥ることもあります。


変更が度重なると、開発する側としてはとてもきついです。


長い時間かけて作ったものがひっくり返され、また最初からやり直さなければならないのか、と思うと正直つらいです。このようなやりとりが何度も積み重なると、心が折れそうになって仕事を辞めたくなります。




怖い顧客に対応しなければならないとき


受託開発で顧客と直接打ち合わせをしたり、メールや電話でやりとりをするときに、相手がとても怖い人物であると、どうしてもビクビクしてしまいます。たいていの人はとても良い感じなのですが、上に立って取りまとめをするような立場の人で、時々とても厳しい人に出会います。


このような人に対応する場合、次の締め切りまでに何とか間に合わせないといけない、という緊張感がいつもより強くなったり、先方から送られてくるメールや電話に脅えるようなります。


顧客とのやり取りが少ない場合はまだいいのですが、顧客先に常駐したり週に1度程度滞在して仕事をするような場合には、もっとつらいです。ただでさえ怖いお客さんと直接顔を合わせるのはとても緊張します。


仕事を辞めて、心も体も解放されて自由になりたいと願う瞬間です。


実際、顧客先に常駐していた同僚がいるのですが、そこのボスがとてもきつい人でどうしても辛く、会社に願い出てプロジェクトが終わると同時にその取引先から撤退したことがありました。実際、とても個性的な顧客だったので、優秀な社員がつぶれてしまっては会社としても損失の方が大きいと判断したようです。


作るものが面白くても、一緒に仕事をする人がきついといった人間関係の問題は仕事を続けるうえで重要な要素です。




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