[レビュー]さくらインターネット・レンタルサーバーの速度や機能を評価
さくらインターネットは15年以上の実績があり、個人から法人、官公庁まで幅広く利用されている安定した人気のあるレンタルサーバーです。
サーバースペックが高くて回線速度も速く、とても快適に動作します。PHP、Perl、Ruby、Pythonのプログラミング言語が使え、データベースはMySQLが使えます。
WordPressでホームページを運営している人や、サイトへのアクセスが増加した際にも役立つ機能が搭載されています。
このページでは、実際にさくらインターネットのスタンダードプランを契約して、各プログラムやデータベースの実行速度を測定したり、機能を使用した内容についてレビューをご紹介します。
さくらのレンタルサーバーでは2週間のお試し期間があります。
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このレビューではさくらのスタンダードプランを用いています。
プログラミング言語の実行速度とバージョン
さくらインターネットでPHP、Python、Ruby、Perlの各プログラミング言語の実行速度を計測しました。
実行条件は以下の通りです。乱数を発生させる時間を言語ごとに計測しています。
1.乱数を50万回発生させるのに要する時間を計測
2.1を10回繰り返し、その平均時間を算出
3.1~2を1時間に一回実行し、24時間に渡って計測
PHP
PHPの実行速度を24時間にわたって計測しました。その結果が以下のグラフになります。
PHPの実行速度は以下のようになりました。時間帯によって遅くなるということもなく、どの時間帯でも高速で安定していました。
PHP 7.4 | PHP 5.6 | |
---|---|---|
平均 | 5.21ms | 15.46ms |
乱数を1回発生させるのに要する時間 | 1.04×10-5ms | 3.09×10-5ms |
利用できるPHPのバージョンは以下のようになっています。
利用可能バージョン | |
---|---|
PHP 7.X | 7.4 / 7.3 / 7.2 |
PHP 5.X | 5.6 / 5.4 / 5.3 / 5.2 |
PHP 4.X | 4.4 |
PHPは最新の7.4系が使えます。PHP7.4以外は非推奨となっていますが、PHP5.XやPHP4.Xも使うこともできます。
バージョンの切り替えは管理画面から簡単に行うことができます。また、php.iniの編集も管理画面から行うことができます。
Python
Pythonの実行速度を24時間にわたって計測しました。その結果が以下のグラフになります。
Pythonは平均101.1ms(1回の乱数発生につき2.02×10-4ms)で実行が可能です。時間帯によって遅くなるということもなく、どの時間帯でも安定していました。
平均 | 101.1ms |
---|---|
乱数を1回発生させるのに要する時間 | 2.02×10-4ms |
利用できるPythonのバージョンは以下のようになっています。
利用可能バージョン | |
---|---|
Python 3.X | - |
Python 2.X | 2.7.X |
さくらインターネットではPython 2.7.Xを使うことができます。Pytnon 3系は使うことができません。SSHを使うことができますので、必要であれば自分でインストールする必要があります。
Ruby
Rubyの実行速度を24時間にわたって計測しました。その結果が以下のグラフになります。
Rubyは平均59.4ms(1回の乱数発生につき1.19×10-4ms)で実行が可能です。時間帯によって遅くなるということもなく、どの時間帯でも安定していました。
平均 | 59.4ms |
---|---|
乱数を1回発生させるのに要する時間 | 1.19×10-4ms |
利用できるRubyのバージョンは以下のようになっています。
利用可能バージョン | |
---|---|
Ruby 2.X | 2.5.X |
Ruby 1.X | 1.8.X |
さくらインターネットではRuby 2.5とRuby 1.8を使うことができます。標準の設定ではRuby 2.5を利用できます。管理画面からはRuby 1.8を指定することはできませんが、SSHで直接パスを指定することでRuby 1.8を使用することが可能です。
なお、2018年12月5日以前に契約している場合は、Rubyのバージョンは1.8となります。この日以降に契約した場合はRuby 2.5が使えます。
Perl
Perlの実行速度を24時間にわたって計測しました。その結果が以下のグラフになります。
Perlは平均51.1ms(1回の乱数発生につき1.02×10-4ms)で実行が可能です。時間帯によって遅くなるということもなく、どの時間帯でも安定していました。
平均 | 51.1ms |
---|---|
乱数を1回発生させるのに要する時間 | 1.02×10-4ms |
利用できるPerlのバージョンは以下のようになっています。
利用可能バージョン | |
---|---|
Perl 5.X | 5.26.X / 5.14.X / 5.12.X / 5.10.X / 5.8.X |
Perlのバージョンは管理画面から簡単に切り替えることが可能です。
データベース: MySQLのバージョンと実行速度
MySQLの実行速度を24時間にわたって計測しました。その結果が以下のグラフになります。
MySQLの実行条件は以下のようになります。データベースへの接続と実行はPHPを利用しています。
MySQLのバージョン: 5.7
PHPのバージョン: 7.4
<前提条件>
・100万件のデータが登録されたテーブルAを用意。
・インデックスを追加。
<処理内容>
1.上記テーブルAに対して、select文を実行してlike検索を行う。
2.上記テーブルAに対して、update文を実行してデータの更新を行う。
3.1と2の処理を50回繰り返す。
4.3を10回繰り返し、その平均時間を算出
5.1~4を1時間に一回実行し、24時間に渡って計測
MySQLは平均94.70ms(select文とupdate文の1セットの処理につき1.89ms)で実行が可能でした。時間帯によって遅くなるということもなく、どの時間帯でも安定していました。
平均 | 94.70ms |
---|---|
select文とupdate文の1セットの実行に要する時間 | 1.89ms |
利用できるMySQLのバージョンは以下のようになっています。
利用可能バージョン | |
---|---|
MySQL 8.X | - |
MySQL 5.X | 5.7 |
さくらインターネットではMySQL 5.7が使えます。MySQL 8.Xは使うことはできません。
データベースの操作は、管理画面からphpMyAdminというツールを使うことができます。ブラウザから操作でき、SQLを入力することなくテーブルの作成や参照ができたりします。もちろん、SQLを直接実行することも可能です。
また、SSHによってコマンドラインで直接操作することも可能です。
さくらインターネットでのデータベースの操作方法については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
さくらインターネットでのMySQLデータベースの使い方
独自ドメインとSSL
さくらインターネットでレンタルサーバーを申し込むと、**.sakura.ne.jpというサブドメインが初期状態で使えます。これとは別に、独自ドメインも登録して使うことができます。
独自ドメインはさくらインターネットで取得することも可能ですし、ムームードメインやバリュードメインなどで取得して設定することも可能です。
さくらインターネットで独自ドメインを設定する方法
SSLは無料で設定することができます。設定メニューがありますので、それに従っていけば簡単にホームページをSSL化することが可能です。
さくらインターネットでSSLを無料で設定する方法
ホームページを公開する際に、以下のようにwww有り、または無しに統一する場合は、少しコツが必要となります。
wwwあり → https://www.sample.com
wwwなし → https://sample.com
少しわかりにくいかもしれませんので、以下の記事にまとめています。さくらインターネットでサーバーを借りる場合は参考にしてみてください。
さくらインターネットでwwwありとwwwなしのURL統一を.htaccessファイルで行う方法
SSH
さくらインターネットではSSHを使うことができます。プログラムを配置して動かすときには、コマンド操作ができるととても便利です。
SSHの設定については管理画面で確認することができます。
SSHでログインすると日本語が文字化けしますが、簡単な設定で修正することが可能です。その方法について、以下の記事にまとめていますのでご覧ください。
さくらインターネットのSSHでログインすると日本語が文字化けするのを直す方法
サイトデータのバックアップ&ステージング機能SnapUPが使えるから、WordPressの保存や更新時にとても便利
サイトのデータをバックアップしたり、テスト環境を用意できるSnapUPと呼ばれる機能を利用することができます。
サイトのデータを確実に守ることができるだけでなく、WordPressで運営しているサイトで起こるトラブルを未然に防ぐことが可能になります。
たとえば、WordPressなどでサイトを運営している場合、WordPressのバージョンが上がっていきますが、そのままアップデートするとうまく動かなくなるという場合も起こります。
その場合にSnapUP機能を利用すると、データベースのデータなども含めてサイトを丸ごとコピーして、テスト環境を利用できるようになります。このテスト環境で、WordPressのバージョンアップを試してうまく動くようであれば、本番環境を更新すれば、サイトを止めることなくWordPressを更新することが可能になります。
また、サイトリニューアルなどで、WordPressのデザイン変更をする際にも、このテスト環境を用いて確認すると効率的です。デザインを変更して、レイアウトが崩れてしまったりしては大変です。テスト環境でよく確認してから、本番環境を更新するということが簡単にできてとても便利です。
このSnapUP機能について、以下の記事に詳しくまとめていますので、興味のある方は一度ご覧ください。
WordPressのデザイン変更やアップデートの確認に便利なさくらのバックアップ&ステージング機能SnapUP
503エラーの発生状況や転送量のログがわかりやすい
サイトが成長してアクセス数が増えてくるととてもうれしいのですが、今度はアクセスが集中してサイトが正しく表示されない、という現象が起きる場合があります。
さくらインターネットでは、アクセス数増加で起こる503エラーの発生状況や、1日の転送量のログを簡単に確認することができます。
[503エラーの発生ログ]
サイトへのアクセス状況とエラーの発生状況のログ画面。この例では、1日のページビューが35,000を越えてもエラーは発生していない。
特にサイトへのアクセスが増えてきた場合には、レンタルサーバーで決められた一日の転送量の上限を超えるとサイトが表示されなくなってしまいます。転送量のログを確認できると、そのようなことが起こる前に対策をとることができますので安心です。
[転送量のログ]
サイトの転送量のログ。1日の転送量の上限を超えるとサイトが表示できなくなってしまうが、ログを確認できることで安心してサイト運営ができる。
さらに、アクセス集中による503エラーの発生を抑制できる機能を利用することができます。HTTPの同時接続数ならびに転送量の上限を緩和することができます。
一度使用すると2日間有効になります。ただし、一度使用すると次回使用可能になるのは7日後となります。
また、1年先までの間で、使用日を予約することもできます。アクセスが集中することが見込まれる場合は、あらかじめ予約しておけるのはありがたいです。
まとめ
さくらのレンタルサーバーは使いやすくて、PHPなどのプログラミング言語も速くて使いやすいです。
アクセス数が増えてきても、エラーが出ていないかどうかが簡単にわかる仕組みがあったり、転送量のログを見ることができる仕組みが整っています。
また、バックアップ機能があってテスト環境の構築も簡単にできるので、WordPressのアップデートやデザイン変更の際にも本番環境への影響を少なくできるのがとても良いです。
個人から法人、官公庁まで幅広く使われていて、しかも15年の実績がある安定したるレンタルサーバーです。2週間のお試し期間もありますので、是非検討してみてはいかがでしょうか?
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