[レビュー]バリューサーバーの速度や機能を評価
バリューサーバーはWordPressを簡単・安全に使えるだけでなく、PHP / Python / Ruby / Perlといったプログラム言語を使うことができるレンタルサーバーです。
データベースはMySQLはもちろんのこと、PostgreSQLも使うことができます。
サーバー申し込みの際に、空き状況を確認することができるので、より快適な環境でホームページを運用することができます。
今回、バリューサーバーのスタンダードプランにて、各プログラムやデータベースの実行速度を測定したり、機能を使用した内容についてレビューをご紹介します。
バリューサーバーでは10日間のお試し期間があります。
バリューサーバー (公式サイト)
このレビューではバリューサーバーのスタンダードプランを用いています。
プログラミング言語の実行速度とバージョン
バリューサーバーでPHP、Python、Ruby、Perlの各プログラミング言語の実行速度を計測しました。
実行条件は以下の通りです。乱数を発生させる時間を言語ごとに計測しています。
1.乱数を50万回発生させるのに要する時間を計測
2.1を10回繰り返し、その平均時間を算出
3.1~2を1時間に一回実行し、24時間に渡って計測
PHP
バリューサーバーでPHPの実行速度を24時間にわたって計測しました。以下にその結果をまとめています。
PHPのバージョンは7.3と5.6を使用しました。
PHPはバージョン7.3が平均10.16ms(1回の乱数発生につき2.03×10-5ms)、バージョン5.6が平均66.32ms(1回の乱数発生につき1.33×10-4ms)となりました。
バリューサーバーではPHP 5系も使えますが、PHP7系の方が約6倍高速に動作しました。PHP7系の方が圧倒的に速いです。時間帯が変わっても実行速度が遅くなるということもなく、安定して使うことができます。
PHP7.4 | PHP5.6 | |
---|---|---|
平均 | 10.16ms | 66.32ms |
乱数を1回発生させるのに要する時間 | 2.03×10-5ms | 1.33×10-4ms |
バリューサーバーで利用できるPHPのバージョンは以下のようになっています。
利用可能バージョン | |
---|---|
PHP 7.X | 7.3 / 7.2 / 7.1 / 7.0 |
PHP 5.X | 5.6 / 5.5 / 5.4 / 5.3 |
現在のところPHPは7.3まで対応しています。最新の7.4はまだ使うことができませんが、PHPは人気の高い言語ですし、WordPressを動かすのに必要ですので、近いうちに使えるようになると思われます。
バージョンの切り替えは管理画面から簡単に行うことができます。幅広いバージョンに対応しています。
Python
バリューサーバーでPythonの実行速度を24時間にわたって計測しました。以下にその結果をまとめています。
24時間の平均を見ると、Python3.6の実行時間は平均113.31ms(1回の乱数発生につき2.27×10-4ms)、Python2.7は106.52ms(1回の乱数発生につき2.13×10-4ms)となりました。
大きな差ではありませんが、Python 2.7の方がPython 3.6よりもわずかに速いという結果になりました。他のレンタルサーバーでも同様で、Python 3系の方が2系よりも遅いという傾向があります。乱数の発生方法がPython 3系と2系で違うのかもしれません。
Python 3.6 |
Python 2.7 |
|
---|---|---|
平均 | 113.31ms | 106.52ms |
乱数を1回発生させるのに要する時間 | 2.27×10-4ms | 2.13×10-4ms |
バリューサーバーではPythonは以下のように2つのバージョンを使うことができます。契約プランによって変わるということはありませんので、適宜切り替えて使うと良いでしょう。現在のところ、最新のPython 3.7には対応していません。
利用可能 バージョン |
|
---|---|
Python 3.X | 3.6 |
Python 2.X | 2.7 |
Ruby
バリューサーバーでRubyの実行速度を24時間にわたって計測しました。以下にその結果をまとめています。
実行速度の平均はRuby 2.3が59.65ms(1回の乱数発生につき1.19×10-4ms)、Ruby 1.9が81.22ms(1回の乱数発生につき1.62×10-4ms)となりました。
Ruby2系の方がRuby1系よりも高速に動作します。
Ruby 2.3 | Ruby 1.9 | |
---|---|---|
平均 | 59.65ms | 81.22ms |
乱数を1回発生させるのに要する時間 | 1.19×10-4ms | 1.62×10-4ms |
バリューサーバーではRubyは以下のバージョンを使用することができます。
利用可能 バージョン |
|
---|---|
Ruby 2.X | 2.3 |
Ruby 1.X | 1.9 |
Perl
Perlの実行速度を24時間にわたって計測しました。その結果を以下にまとめています。
Perlは平均59.60ms(1回の乱数発生につき1.19×10-4ms)で実行が可能でした。
平均 | 59.60ms |
---|---|
乱数を1回発生させるのに要する時間 | 1.19×10-4ms |
バリューサーバーで利用できるPerlのバージョンは以下のようになっています。
利用可能 バージョン |
|
---|---|
Perl 5.X | 5.10 |
データベースの実行速度とバージョン
データベースの実行速度を計測しました。バリューサーバーではMySQLとPostgreSQLを使用することができます。
データベースへの接続と実行はPHPを利用しています。MySQL、PostgreSQLともにこの条件を用いています。
PHPのバージョン: 7.3
<前提条件>
・100万件のデータが登録されたテーブルAを用意。
・インデックスを追加。
<処理内容>
1.上記テーブルAに対して、select文を実行してlike検索を行う。
2.上記テーブルAに対して、update文を実行してデータの更新を行う。
3.1と2の処理を50回繰り返す。
4.3を10回繰り返し、その平均時間を算出
5.1~4を1時間に一回実行し、24時間に渡って計測
MySQL
MySQLの実行速度を24時間にわたって計測しました。その結果を以下にまとめています。
MySQLは平均21.92ms(select文とupdate文の1セットの処理につき0.44ms)で実行が可能でした。
使用したMySQLのバージョンは5.5ですが、実行速度は他のレンタルサーバーと比較してもトップクラスに高速でした。非常に快適に使うことができるでしょう。
24時間の平均 | 21.92ms |
---|---|
select文とupdate文の1セットの実行に要する時間 | 0.44ms |
利用できるMySQLのバージョンは以下のようになっています。
利用可能バージョン | |
---|---|
MySQL 8.X | - |
MySQL 5.X | 5.5 |
バリューサーバーではMySQL 5.5が使えます。MySQL 8.Xは使うことはできません。バリューサーバーではスタンダードプラン以上で、MySQLの利用数が無制限となっています。まるっとプラン、エコプランでは1個だけです。WordPressを使用したサイトを複数運営する場合や、MySQLを複数使ったサイト運営を考えている場合には、良い選択肢になるでしょう。
データベースの操作は、管理画面からphpMyAdminというツールを使うことができます。ブラウザから操作でき、SQLを入力することなくテーブルの作成や参照ができたりします。もちろん、SQLを直接実行することも可能です。
また、SSHによってコマンドラインで直接操作することも可能です。
PostgreSQL
バリューサーバーではデータベースとしてPostgreSQLも使うことができます。PostgreSQLを使えるレンタルサーバーはとても少ないので貴重です。
PostgreSQLは平均45.82ms(select文とupdate文の1セットの処理につき0.92ms)で実行が可能でした。
24時間の平均 | 45.82ms |
---|---|
select文とupdate文の1セットの実行に要する時間 | 0.92ms |
利用できるPostgreSQLのバージョンは以下のようになっています。バージョン9.2を使うことができます。ただし、PostgreSQL 10 / 11 / 12は利用することができません。
利用可能バージョン | |
---|---|
PostgreSQL 9.X | 9.2 |
PostgreSQL 10 / 11 / 12 | - |
独自ドメインと無料SSL
バリューサーバーではレンタルサーバーを申し込むと、**.valueserver.jpというサブドメインを1つ使用することができるようになります。
独自ドメインも設定することが可能です。バリューサーバーでは、スタンダードプラン以上では無制限に設定できます。まるっとプランとエコプランでは、それぞれ5個、25個までとなっています。
SSLは無料で設定することが可能です。ドメインを選んでチェックを入れるだけで簡単にSSLを使い始めることができます。
SSHを使用可能
SSHを使ってコマンドラインで操作をすることが可能です。プログラムを設置したり、データベースの操作などを行う時に便利です。
SSHは初期状態ではアクセス制限がかかっています。SSHを許可するIPアドレスを登録することで、SSHによるアクセスが可能となります。
管理画面からSSHの許可設定を簡単に行うことができますので、すぐに使い始めることができます。許可したIPアドレス以外からのアクセスは全部拒否されますので、セキュリティを確保して使うことができます。
FTPについても同様で、許可したIPアドレスからのみアクセスすることが可能です。
WordPressの簡単インストールと安全な運用
バリューサーバーではWordPressの簡単インストールに対応しています。ボタンを押すだけで、WordPressのインストールを行うことができます。
ただし、WordPressで使用するMySQLはあらかじめ用意しておく必要がありますので、全自動というわけではありません。
WordPressのログイン画面に対して、海外からのログインを制限する機能が搭載されています。海外からは不正アクセスなどが多くあるので、このような制限をしてくれると安心して運営することができます。
まとめ
バリューサーバーはPHP / Python / Ruby / Perlの各プログラミング言語に加えて、MySQL、PostgreSQLの2種類のデータベースを使用することができます。
特にMySQLはとても高速に動作しますので、WordPressなどMySQLを使ったサイトを運営する場合は、とても快適に動作します。
10日間の無料お試し期間があるので、是非検討してみてはいかがでしょうか。
バリューサーバー (公式サイト)