SEにとって顧客と顔をあわせて打ち合わせを行うことの重要性




SE兼プログラマーをしていてもう10年以上になります。お客さんとやりとりしながらプログラムを書いていき、依頼されたシステムを作り上げていくという仕事をしています。


お客さんと直にコミュニケーションしながらプログラムも書くのでエンジニアとしてはとても充実しているのですが、一方でなかなか大変だなと思うときもあります。


今回はこれまでの経験の中で、システム開発の法則といってもいいようなことを1つをご紹介したいと思います。


それは、顧客と顔をあわせて打ち合わせをすることの重要性です。



顧客の頭の中とエンジニアの頭の中のずれ


システム開発をしているとお客さんとのやり取りは重要になります。進捗状況を連絡して、どこまでできたかを確認してもらうということを行います。このような連絡がないと、お客さんは本当に仕事が進んでいるのか不安に思います。


WEBアプリケーションは顧客とのやりとりにとても便利で、サーバーに開発中のアプリケーションを入れておけば、見るだけでなく実際に操作してもらって確認してもらえます。


うちの会社でもよくこの方法を使っていて、1週間か2週間に1回くらいのペースでお客さんに進捗状況を連絡しながら、実際に操作してもらって確認してもらっています。


開発を進めるうえで最初のうちはまだそれほどシステムができあがっていないので、顧客も様子見になることが多いです。進捗状況を報告しても、なんだかできていっているなぁという程度で顧客からの発言は少ないです。


しかし、開発も中盤にさしかかり、ある程度動くものができあがってくると、顧客からの発言が増えはじめます。「ここはこうしてください。」、「こちらの文言はこれでお願いします。」、「少しわかりにくいので、画面をわかりやすくしてください。」などなど、いろいろあります。


こうやってやり取りしていると、お客さんの依頼を反映しながらやっているので問題ないように思うかもしれませんが、システム開発の中盤戦というのは、問題なく納品できるかどうかが決まるうえでとても重要です。


システム開発の中盤というのは、顧客にとって、システムの完成形のイメージができてくる時期になります。当初考えていたものとはちょっと方向性がずれているなとか、やっぱりこういう機能も欲しいなとか、より細かい要望が出てきやすいです。


開発に取り掛かる前に仕様が決定したと思っていても、開発が進んでいくうちにどうしても「やっぱりこうしてほしい」、「この機能も追加してほしい」というものが出てきます。最初から全部読み取れる優秀なSEの方がいらっしゃったら是非一度どうやったら要件定義や仕様決定が完全にできるのかお話を聞きたいのですが、私の経験では仕様が決まったと思っていても、だいたい中盤で追加の要望がいろいろと出て来ることが多いです。


そして、この時期にうまく顧客とのやり取りを行わないと、納期のずれこみや不満の蓄積ということになってしまい、プロジェクトが火を噴きやすくなります



顔を合わせて話をすることで不満を抑え、顧客が安心する




開発初期はメールのやり取りだけで済むことも多いです。ただ、中期に差し掛かると上で書いた理由のため、顧客があれもこれも伝えたいという状態になっています。


メールだけでは書ききれず、そして伝え切ることもできません。人にもよりますが、メールで書くよりも口で話す方が要望を伝えやすい人の方が多いため、この時期にメールだけでやり取りを済ませていると、顧客の不満はたまっていきます


そして開発が終盤に差し掛かった時に、「やっぱり違う!やり直してほしい」というような状況になってしまいます。不満が一気に表面化するのです。


納期間近にこのようなことを言われたらとても困りますよね。徹夜で修正しても間に合わないかもしれません。仮に切り抜けたとしても、顧客の中にできたイメージは悪くなってしまっています。スムーズにシステム開発が完了したら、「次回もお願いします」と受注につながりますが、イメージが悪化した場合にはこれっきりの関係で終わってしまうかもしれません。困りますよね。


こんなことになってしまわないようにするには、どうしたらいいでしょうか?


実は私も似たようなことを経験したことがあるのですが、やはり、この時期は実際に打ち合わせの席を頻繁に設けて、顧客の要望を聞いてシステム開発の軌道調整をすることが重要です。


顔を合わせて話をすると、とても物事がスムーズにいく気がします。話をすることでメールでは書けないような細かい話も遠慮なく言えますし、顔を見て反応を伺えますので、言いやすかったりします。


そして、やはり顔を見ながら話をすると、とても意思疎通がしやすいです。顧客にとって、わからないことは尋ねられますし、「こんなことはお願いできますか?」と頼みやすくもあります。我々エンジニアにとってもなんとなくわかった気でやり過ごしてしまうような小さなことも確認しやすいです。


実際顔を見て話をし終わった後は、お客さんが満足されているように見えます。


顧客の不満のガス抜きをする、と言うと聞こえは悪いですが、顧客の要望を満たすためのシステムを作っているわけなので、先方の依頼を聞くことはとても大事なのです。


そして、顧客の要望を聞くためにはメールという手段だけではダメで、やっぱり直接会って対話することが有効なんだと思います。


いくらIT化の時代とはいえ、人と人は顔をあわせて話をすることが重要なんですね。


もちろん、顧客の要望を聞いたらそれを実装し、顧客が安心・満足するようにすることが大切です。



スカイプよりも足を運ぶ


最近はネットがとても便利になっていて、スカイプを使ったTV会議も十分快適にできるようになりました。


うちの会社でも支社と本社を結ぶ会議や、お客さんとの打ち合わせでもスカイプを使ってすることが随分増えました。


実際にシステム開発の際にもスカイプで打ち合わせを行うのですが、やはり、それでも限界があります。顔はどうしても小さく映ってしまいますし、ネットの状態によってはときどき音切れしてしまうこともあったりします。やはりリアルな打ち合わせよりは劣ります。


お客さんもこのことをよく理解していらっしゃるようで、何回かに1回は実際にお会いして打ち合わせをしたい、というようなことをよく話されます。


遠方に出向くのは大変なのですが、システム開発でトラブルになるよりはマシです。そのため、プロジェクトが続いている間は、実際に顧客先へ足を運んで打ち合わせを行っています。


実際に会って話すとスカイプでミーティングするときよりも話は長くなる傾向にありますが、その分お客さんは和やかに話されているように見えます。やはりネット越しよりも直接会った方が安心感があるものなのですね。


アナログ的な方法かもしれませんが、人の心が関与する限り、直接人と会うということは大事なのかもしれません。



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