プログラマーはユーザーから見える部分に注力しよう



大手のIT系企業ではコードを書く人、デザインを担当する人、仕様を決める人などがわかれていることが多いと思います。何十人月というような巨大なプロジェクトだとなおさら担当する部分がきっちりと決められて、分業が進んでいるのではないかと思います。


私が勤めているソフトウェア会社は40人程度の小さな会社です。受注する仕事の規模も数人月程度のものが多いので、一人で仕様を決めてプログラムも書いてデザインも少しやってというようなことをやっています。


トータルで見るといろいろ技術力がつくのですが、時々分業スタイルに憧れることがあります。


というのも、開発をやっていると、自分が得意でないところも担当しないといけないこともあり、お客さんに見せた段階で指摘が結構頻繁にあるからなのです。


実際の開発がどのように進んでいくかということを簡単に紹介すると、最初にお客さんからこんな機能が欲しいといわれて、それに沿って機能を追加していきます。ある程度作ったところで顧客に確認してもらい、指摘を受けます。修正をして見てもらいまた少し修正する、というような作業を開発が収束するまで繰り返し続けていきます。


プロトタイプを見せたり、開発の進行に伴ってお客さんから指摘される内容は、経験的にですが以下のような割合になります。


不具合 : ロジックや機能 : デザイン、レイアウトなどの見た目

 2  :  4  :  4

これは私の経験上の数値なので、人によっても会社によっても変わってくると思います。もっとうまくやっている人だったら、不具合が0という驚異的な数字を叩き出す人もいるかもしれません。


依頼を受けていた機能を実装して確認してもらう段階で、うまく動かなかったというような場合は当然指摘されてしまいます。エラーが出るのはまずいですし、処理結果が間違っていたら致命的です。指摘を受けたときにはやばいなと感じつつも、よくぞ指摘してくれました!とありがたい思いになることもあります。


開発段階では少々の不具合が入っていることは了解していただけるので、それほど多くの指摘はありません。そのため上記のように受ける指摘の割合はだいたい2割くらいです。


ロジックや機能については、何か計算をしなければならないところがあったとすると、ここの計算方法はどうなっていますか?といったプログラムそれ自体に関する指摘であったり、機能を実現するうえで大事なロジックの確認などといったことになります。


「この機能はやっぱりこうしてくれ」という仕様変更などもあります。「この機能にこんなことも追加してもられるかな?」といった機能追加の依頼もあります。別料金をとりたいところですが、それほど手間がかからなければそのまま引き受けることも多いです。このような機能やロジックに関する指摘がだいたい4割くらいです。結構あります。


同様に多いのが、デザインやレイアウトなどの見た目に関する指摘です。これが結構多いです。私はデザインがあまり得意ではありません。「ある程度こんな感じで使えればいいかな?、どうせプロトタイプだし」と思ってお客さんに見せると、デザインやレイアウトなどの見た目の指摘が多くあがってきます。


たとえば、「ここのボタンは使いにくいから、別の方法を考えてほしい」といったものや、「色を変えてくれ」、「ここの文言は別ウィンドウで表示してほしい」といった具合です。結構細かいところまで指摘が入ってくることが多くあります。中にはカラーコードの指定やフォントスタイルまで指定してくるユーザーさんもいらっしゃいます。


はっきり言って、私はこのデザイン周りの仕事がとても苦手なのです。デザインの指摘を受けたときに「細かいなぁ」と心の中でよく思ってしまいます。


大事なのはわかっているのですが、自分の中の苦手意識もありますし、見た目は最後で決めてもいいじゃんと思ったりする性格のため、見た目を指摘されると仕事のモーチベーションがちょっと下がってしまいます。


一応うちの会社にはウェブデザイナーがいて、ロゴやサイト全体のデザインを手掛けてくれるのですが、個々のページの表示などについてはプログラマーが決めているのが現状です。この部分を誰か専任で担当してくれる人がいたらな、と常日頃思っています。




ユーザーにはプログラムは見えていない。見えるのはデザインとインターフェース


私はプログラマだと自分のことを思っています。プログラムを書いて顧客の欲しいシステムを作るのが仕事だと思っているのですが、いくらいいプログラムが書けたと思っても、プログラムの部分は顧客には見えません。


「このロジックすごいでしょ!」とか「綺麗にプログラム書けてるでしょ!」とか言いたいのですが、プログラムはお客さんには見えませんし、見れたとしてもプログラマーでない限りわかりません


これが超悲しい!


しかし、これが現実なのです。


お客さんがわかるのは、目の前にあるシステムの見た目であり、使い勝手です


この部分にお客さんの要望が集中するのは当然かもしれません。


ある程度は覚悟して、要求に慣れることができるように心を鍛えようと思います。そして、なるべく見た目周りの要求が減るように、なるべく良質なデザインにしてからお客さんに見てもらえば顧客からの修正依頼も減っていくのではないかと思っています。



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